近年、医療画像分野では「AIによる高精細化」や「診断支援」が注目を集めている。その中で、米国発のスタートアップ Subtle Medical は、やや異なる切り口で存在感を示している企業だ。

Subtle Medicalが掲げるのは、
「より多く撮る」のではなく、「必要最小限だけ撮る」医療である。

検査時間を短くすると画質が落ちる、という現場の常識

MRIやPETでは、撮影時間を短くするとノイズが増える

投与量を減らすと信号が弱くなる

という制約がある。

そのため実臨床では、安全側に倒したプロトコルが選ばれがちで、
結果として検査時間や患者負担が増えてきた。

検査時間と被ばくを減らすという明確な課題設定

MRIやPETなどの画像検査は、診断精度を担保するために長時間・高線量で撮影されることが多い。一方で、検査時間の長さは患者負担につながり、放射線検査では被ばく量の増加も避けられない。

Subtle Medicalはこの課題に対し、撮像時間を短縮し放射線量や投与量を低減。
その結果として生じる画質低下を独自AI技術で補正するというアプローチを取っている。
かなり簡単にわかりやすく例えると、見えずらいパズルのピースを後からそこの一部ピースだけをAI技術で補完するようなもの。
そういうとじゃあこれはAIが勝手に想像してつくっているのでしょうか。という問いも生まれる。がそうではありません。
重要なのは、AIが“存在しない情報を想像で作る”のではなく
本来含まれている信号を強調し、ノイズを抑えることで「読み取れる状態」に戻す点だ。

同社のAIは、ノイズが多く情報量の少ない画像を、従来と同等の診断品質に近づける「画像最適化」に特化している点が最大の特徴。
あくまでも
・ノイズ低減
・信号強調
・画質改善
・医療被曝低減
結果、読影可能な画像を提供することに成功

リアルタイムではなく「後処理」に特化

Subtle MedicalのAI処理は、撮影後(post-processing)に行われる。
一見すると「処理が入る分、遅くなるのでは」と思われがちだが、実際には以下のような設計思想がある。
米国においての医療は受付から薬を受け取るまでの待ち時間をいかにスピードをもって対応するか、そして再現性もあるフローを持つか。

つまり米国医療において
・画像検査では、もともと読影やPACS転送などの待ち時間が存在
・撮影時間そのものを大幅に短縮できるツールが求められている
・よってトータルでは患者が結果を受け取るまでの時間は短くなる